p01 モンゴル文語資料
モンゴル文語の辞書は検索方法(検索文字種)の違いによって次の2種類に分かれます:
・Mongol類 -- 見出し語がモンゴル文字の辞書でモンゴル文字で検索する
・Roman類 -- 見出し語がローマ字転写の辞書でローマ字転写で検索する
Mongol類は、見出し語がモンゴル文字の辞書類で「蒙漢詞典」「蒙漢満」「清文鑑」「Lessing」の4つの辞書グループがあります。各グループには次のような辞書が登録されています。
| Mongol類の辞書グループ | 登録されている辞書 |
|---|---|
| 蒙漢詞典 | 「蒙漢詞典」 |
| 蒙漢満 | 「蒙文総彙」「蒙文倒綱」「欽定蒙文彙書」「蒙漢字典」 |
| 清文鑑 | 「三合切音」「五体清文鑑」「満蒙清文鑑」 |
| Lessing | Mongolian-English Dictionary |
Roman類は、見出し語がローマ字転写の辞書類で、「Meng-Han」「Classical」「Mon-Tibet」の3つの辞書グループがあります。各グループには次のような辞書が登録されています。
| Roman類の辞書グループ | 登録されている辞書 |
|---|---|
| Meng-Han | 「MengHan」(蒙漢詞典) |
| Classical | 「Lessing」「蒙古語大辞典」「Kowalewski」 |
| Mon-Tibet | 「Saran-u gerel」「五体清文鑑」 |
モンゴル文字の入力方法
表示に必要なフォント
モンゴル文字およびローマ字転写の文字を正しく表示させるためには次のフォントをパソコンにインストールする必要があります:・MongolianUniversalWhite.ttf(伝統的モンゴル文字、トド文字、満洲文字表示用)
・BitheGoth.ttf(満洲語ローマ字転写表示用)
・Moukan.ttf(「蒙漢詞典」モンゴル語ローマ字転写表示用)
・SetuonGoth12.ttf(モンゴル文語ローマ字転写表示用)
・Todo_rom.ttf(トド文字ローマ字転写表示用)
フォントは次のサイトからダウンロードすることができます:
⇒ http://hkuri.cneas.tohoku.ac.jp/p01/font
モンゴル文字の字形による検索
検索窓に半角英字を入力すると、自動的にモンゴル文字に変換されます。検索窓にモンゴル文字が入力されたら、「Enterキー」を押すと検索が行われます。デフォルトでは「前方一致」になっているので、単語の先頭から部分的に合致していればヒットします。データの中にヒットするものがなければ「Not Found!」と表示されます。
検索方式はデフォルトで「模糊查询」(あいまい検索)になっており、これによりモンゴル文字の字形によって検索が行われます。モンゴル文字には、字形が同じで発音が異なる「同形異音字」が少なくありませんが、ここでは発音に関係なく字形で検索が行われます。このため、モンゴル語の正確な発音が分からなくても、検索することができます。
たとえば、母音字の<o>(4)と<u>(5)は同じ字形で、母音字の<ö>(6)と<ü>(7)も同じ字形です。同様に、子音字の<d>と<t>も同じ字形で、子音字の<g>と<k>も同じ字形です。これらの文字を含む単語は、字形だけでは発音(読み方)が決まらないので、字母順で配列されている紙の辞書の中で探すのには手間がかかります。しかし「模糊查询」(あいまい検索)では、発音に関係なく字形で検索が行われます。
モンゴル文字は次のようなキーで入力することができます。
入力上の注意点としては、二重母音は ai, ei, oi, ui のように母音の間に y を入れません。
使用説明
次は「Web版蒙漢詞典」の使用説明書です。2020年時点のもので、その後に追加されたデータや機能がありますが、データベースの仕様や使い方はMongol類の辞書に共通です。・使用説明(日本語)
・使用说明(中文)
・тайлбар(монголоор)
・Instructions(In English)
Mongol類の辞書
Mongol類は見出し語がモンゴル文字の辞書で、モンゴル文字で検索します。Mongol類には次のような辞書が登録されています。蒙漢詞典グループ
蒙漢詞典
『蒙漢詞典(増訂本)』(内蒙古大学出版社、1999)『蒙漢詞典』は1977 年に初版が出版されて以来、収録語彙の豊富さと、信頼性の高い内容によって現代モンゴル語の書き言葉の規範とみなされてきた。1999 年には初版の内容を改訂・増補した「増訂本」が出版され、モンゴル文字のローマ字転写方式が変更されたほか、新たにすべての主見出し語に発音記号で標準語の発音が付された。モンゴル語の見出し語には、ローマ字転写、国際音声字母(IPA)による発音表記、品詞、漢語訳語、例文が付され、副見出し(熟語)には漢語の訳語が付いている。主見出し語26,445、副見出し語(熟語)27,296。
この『Web版蒙漢詞典』では、上のすべての情報に加えて、主見出し語にネイティブの音声による発音と対応するキリル文字表記のモンゴル語形を付し、キリル文字モンゴル語辞書(複数)にリンクが張られている。副見出し(熟語)にはすべて原本にないローマ字転写形を付け加えた。このほか、すべての見出し語(主・副)に出現位置(頁数と段)を付し、それらに対して原本のページの画像のリンクが張られている。
同辞典における品詞や専門分野等の略語については『蒙漢詞典(増訂本)』凡例を参照。
また、「Web版蒙漢詞典」の詳しい機能や使い方は、上掲の「使用説明」を参照されたい。
参考記事 ⇒ 「モンゴル語辞典とインターネット」
蒙漢満グループ
蒙文総彙
『蒙文総彙』グシラマ李鋐編、光緒17(1891)年の序。木版刷全12巻。モンゴル語、漢語、満洲語の3言語対照辞典で、見出し語のモンゴル語は字母順(十二字頭順)に配列されている。収録項目数は16,382。
ここでは、モンゴル文字によるモンゴル語の見出し語、モンゴル語のローマ字転写、漢語訳語、満洲文語(ローマ字転写)、および出現位置を登録した。出現位置を表す数字は、原本の頁の画像とリンクしている。
蒙文倒綱
『蒙文倒綱』(別名『蒙文彙書』)賽尚阿編、咸豊元(1851)年序。写本全16巻。モンゴル語、漢語、満洲語の3言語対照辞典。見出し語のモンゴル語は字母順(十二字頭順)に配列されている。収録項目数(語数)18,303。
ここでは、モンゴル文字によるモンゴル語の見出し語、モンゴル語のローマ字転写、漢語訳語、満洲文語(ローマ字転写)、および出現位置を示した。出現位置を表す数字は、原本の頁の画像とリンクしている。
原本の画像は、『蒙文倒綱-資料編・原本影印-』(東北アジア研究センター報告第6号)東北大学東北アジア研究センター、2012年9月、A4判590頁。として出版されています。
欽定蒙文彙書
『欽定蒙文彙書』光緒17(1891)年、木版刷全17巻。理藩院の建議により、『蒙文彙書』(『蒙文倒綱』)を改訂・増補して刊行された。「原奏・官銜」1巻、本文16巻。モンゴル語、漢語、満洲語の3言語対照辞典。見出し語のモンゴル語は字母順(十二字頭順)に配列されている。収録項目数は22,784。
ここでは、モンゴル文字によるモンゴル語の見出し語、モンゴル語のローマ字転写、漢語訳語、満洲文語(ローマ字転写)、および出現位置を示した。出現位置を表す数字は、原本の頁の画像とリンクしている。
蒙漢字典
『蒙漢字典』北京蒙文書社、鉛版印刷、1928年。上下2巻。モンゴル語と漢語の対訳辞典。モンゴル語の見出し語は字母順(十二字頭順)に配列されている。収録項目数18,651。
ここでは、モンゴル文字によるモンゴル語の見出し語、ローマ字転写、漢語訳語、および出現位置を示した。出現位置を表す数字は、原本の頁の画像とリンクしている。
原本の画像は『蒙漢字典-資料編・原本影印-』(東北アジア研究センター報告第14号)東北大学東北アジア研究センター、2014年11月、B5判548頁。として出版されています。
清文鑑グループ
満蒙清文鑑
「御製満蒙清文鑑」康煕56(1717)年木版本、序・目録1巻、辞書の本文20巻、総綱4巻。満洲語の見出し語と語釈のすべてにモンゴル語の逐語訳が付されている。収録されている項目数は12,110で、見出し語は「天」「時令」「地」「君」等36の「部」と、その下位分類である280の「類」の意味によって分類、配列されている。
この清文鑑には元々漢語名は無いが、満洲語の題名 han i araha manju gisun i buleku bithe をそのまま漢語訳すれば「御製清文鑑」となる。しかし満洲語名が康煕47(1708)年序の清文鑑と同名であるため、両者を区別するため後者を「御製満蒙文鑑」「御製満蒙合壁清文鑑」「清文合蒙古鑑」「蒙古清文鑑」等々の名で呼ぶことがある。
ここでは、モンゴル文字によるモンゴル語の見出し語、モンゴル語のローマ字転写、満洲語(ローマ字転写)、出現位置、およびモンゴル語(ローマ字転写)による語釈を登録した。出現位置の数字は、原本の頁の画像とリンクが張られている。
三合切音清文鑑
『御製満珠蒙古漢字三合切音清文鑑』乾隆45(1780)年木版本。序・凡例・職名・目録1巻、本文31巻。満洲語、モンゴル語、漢語3言語対訳辞典。見出し語は「天」「時令」「地」「君」等36の「部」と、その下位分類である289の「類」に意味によって分類・配列されている。収録されている項目数は13,835。この清文鑑では3言語の見出し語にはすべて発音表記が付されている。発音は満洲語には漢字とモンゴル文字で、モンゴル語訳には漢字と満洲文字で、さらに漢語には満洲文字とモンゴル文字で示されている。しかも、満洲語とモンゴル語の発音を表す漢字による表記は、漢字を一字ずつ並べる通常の方式と、漢字を最大三字を組み合わせる「三合切音」方式という二つの表記が併記されている。
ここでは、モンゴル文字によるモンゴル語の見出し語、モンゴル語のローマ字転写、満洲文字によるモンゴル語表記のローマ字転写、漢語訳文、および出現位置を登録した。出現位置を表す数字は、原本の頁の画像とリンクが張られている。
五体清文鑑
『御製五体清文鑑』制作年不詳。精写本全36巻。18世紀末に編纂された満洲語、チベット語、モンゴル語、ウイグル語、漢語の5言語対訳辞典。満洲語の見出しは、「天」「時令」「地」「君」「諭旨」等36の「部」と、その下位分類である292の「類」に分類された意味によって配列されている。収録されている項目数は清文鑑の中では最多の18,671。
ここでは、モンゴル文字によるモンゴル語の見出し語、モンゴル語のローマ字転写、満洲語(ローマ字転写)、項目の通し番号、漢語訳語、および出現位置を示す。出現位置を示す数字には原本の頁の画像とリンクが張られている。原本頁数と画像は『五体清文鑑』(上中下3巻)民族出版社、1957年(1998年再版)によった。項目の上に、原本にはない通し番号(1~18,671)を付けた。
Lessingグループ
Lessing
"Mongolian-English Dictionary"(Ferdinand D. Lessing et al., Berkeley: University of California Press, 1960) 約45,000項目。原本の見出し語はローマ字転写形であるが、ここではそれをモンゴル文語形にして見出し語としている。 ここでは、モンゴル文字による見出し語、モンゴル語のローマ字転写、英語訳語、出現ページを登録した。ローマ字転写はこの辞典独自の方式であるが、Poppe(1954)方式に変換した。出現ページの数字をクリックすると原本の頁の画像が表示される。
原本のローマ字転写については Transliteration を参照されたい。
また辞書中の略語は次の通り: List of Abbreviation
Roman類の辞書
Roman類は見出し語がローマ字転写の辞書で、ローマ字(転写)で検索します。MengHanグループ
MengHan
『蒙漢詞典(増訂本)』(内蒙古大学出版社、1999)の見出し語をローマ字転写にして、ローマ字転写で検索できるようにした。見出し語がローマ字転写になっただけで、内容はMongol類の『蒙漢詞典(増訂本)』と同じ。Classicalグループ
Lessing
"Mongolian-English Dictionary"(Ferdinand D. Lessing et al.,. Berkeley: University of California Press, 1960)の見出し語をローマ字転写にして、ローマ字転写で検索できるようにした。見出し語のローマ字転写はPoppe(1954)方式に変換してある。見出し語がモンゴル語のローマ字転写形になっただけで、内容はMongol類にある「Lessing」と同じ。蒙古語大辞典
陸軍省 『蒙古語大辞典 蒙和之部(上巻・中巻)』(偕行社、1933)。見出し語を検索して、原本の画像を表示して参照する仕様のため、見出し語のローマ字転写、そのモンゴル文語形、および出現ページだけが登録してある。出現ページの数字をクリックして原本の画像を表示させる。 この辞典は独自のローマ字転写方式をとっているが、Poppe(1954)方式に変換してある。
Kowalewski
Josef S.Kowalewski, Dictionnaire mongol-russe-français. Kazan, 1844-1849.見出し語を検索して、原本の画像を表示して参照する仕様のため、見出し語のローマ字転写、そのモンゴル文語形、および出現ページだけが登録してある。出現ページの数字をクリックして原本の画像を表示させる。
この辞典にはローマ字転写形はないが、原本のモンゴル文語形を Poppe(1954)方式でローマ字転写した。
Tibetanグループ
Saran-u gerel
チベット語・モンゴル語辞典 ner_e udq_a-yi todudqaγci saran-u gegen gerel kemedgdekü dokiyan-u bicig orusiba ::(名義を照らす月の明光という詞書)道光18年(1838年)木版本。ここでは、モンゴル文語形のローマ字転写とチベット語のローマ字転写、出現位置を登録した。出現位置は葉(1~133)、表(1)と裏(2)、上段(a)下段(b)で示した。データは内蒙古大学講師小春氏の作成・提供による。
出現位置をクリックすると原本の画像が表示される。原本は横長の経典形式なので、画像を表示させるときは画像の窓を横長に拡大しておくとよい。
五体清文鑑
『御製五体清文鑑』のモンゴル語のローマ字転写を見出し語として、漢語訳とチベット語訳、日本語訳、および出現位置が登録してある。日本語訳は『五体清文鑑訳解』(京都大学文学部内陸アジア研究所、1966)上巻の日本語訳によった。頁数と画像は『五体清文鑑』(上中下3巻)民族出版社、1957年(1998年再版)によった。この数字をクリックすると原本の画像が表示される。ローマ字転写方式
蒙漢詞典方式
Poppe(1954)方式
Nicholas Poppe, "Grammar of Written Mongolian", Wiesbaden, 1954(1964, 1974, 1991).